■ 「エコ社会主義」の提案

エコ資本主義批判―持続可能社会と体制選択

エコ資本主義批判―持続可能社会と体制選択

ショラル・ショルカル『エコ資本主義批判』森川剛光訳、月曜社

森川剛光様、ご恵存賜り、ありがとうございました。

 インド人で、1982年に西ドイツに移り住んだショルカル(1936-)は、西ドイツの「緑の党」に入党するのだけれども、その5年後に離党します。1997年には、ATTACの立ち上げに参加しています。
 おそらく、ドイツの「緑の党」が、現実と妥協する姿に耐えられなかったのでしょう。ショルカルは、真のエコロジーを求めて、思想的に徹底した考え方を探求していきます。持続可能性を維持するために、経済の定常状態と、今日よりも低い生活水準を受け入れ、また、平等政策や人口抑制政策、あるいは社会主義の下での道徳的な成長、などを推進すべきことが、本書で提案されます。「エコ社会主義」のイデオロギーを明確に示した、貴重な著作です。