■不調和を爆発させよ

科学から空想へ

科学から空想へ

石井洋二郎『科学から空想へ よみがえるフーリエ藤原書店、2009年

石井洋二郎様、ご恵存賜りありがとうございました。

・今頃になって恐縮ですが、とても面白く読ませていただきました。タイトル「科学から空想へ」というキャッチフレーズが、まず他人事ではないほど共感してしまいます。小生が考えているのは、エンゲルスを否定して、空想を復権することで、空想的自由主義とでも呼べるような思想を展開することです。そのための資源として、フーリエはとても参考になります。

・とても面白いのは、フーリエオーウェンを否定するところです。「協同社会制度においては調和と同じだけの不調和が必要なのだ。不調和からまず始めなければならないといってもいい。そして情念系列のファランジュ(1,800人からなる協同社会的カントン)を形成するには、調和を組織する前に、少なくとも五万の不調和を爆発させなければならない。」(フーリエ、ご高書127頁より引用)これはあらゆる想像力をかき立てます。