■不安が呼び寄せる強権力

哲学・社会・環境 (21世紀への挑戦)

哲学・社会・環境 (21世紀への挑戦)

山之内靖/島村賢一編『21世紀への挑戦 1 哲学・社会・環境』日本経済評論社、2010年

・井上芳保様、ご恵存賜りありがとうございました。

・ご高論「構築される健康不安と犯罪不安を問う」を興味深く読みました。べてるの家の紹介が中心的な位置を占めていますね。健康不安や犯罪不安から、権力が作動する。そういう権力を批判するためには、私たちは健康でなくても、また罪を犯しても、社会から排除されないような環境を作る必要がある。これはアナキズムの要請ですね。何か問題が起きても、それを政府に解決してもらうのではなく、自分の受苦、あるいは私たちの受苦として捉えるということですから、これは自由主義の要請でもあるのではないでしょうか。