■ついに訳されたか! 見識ある日経BP社に賛辞を

世界一シンプルな経済学 (日経BPクラシックス)

世界一シンプルな経済学 (日経BPクラシックス)

ヘンリー・ハズリット『世界一シンプルな経済学』村井章子訳、日経BPラシックス、2010年

・村井章子様、ご恵存賜りありがとうございました。

・本書はアメリカ人がいまだに経済学の入門書として読みついでいる古典中の古典。これを翻訳するとは、日経BP社の慧眼というべきであろう。ハズリットはニューヨーク・タイムズの記者でもあり、彼は当時、ルードウィッヒ・フォン・ミーゼスを発掘して絶賛したことでも知られる。いわばアメリカにおけるオーストリア学派の基盤を築いた人の一人だ。小生がはじめてニューヨークのオーストリア学派セミナーに参加したとき、ある白人の中年サラリーマンが、本書を絶賛していたことを思い出す。とにかく入門書として、本書を読め、というわけだ。分かりやすく、しかも当時のニューディール的発想をことごとく批判する点で挑発的。初版は1946年。歴史に耐えた重要書といえるだろう。