■入門書として最適ですよ
ポストモダンの正義論 「右翼/左翼」の衰退とこれから(双書Zero)
- 作者: 仲正昌樹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/09/18
- メディア: 単行本
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・仲正昌樹様、ご恵存賜りありがとうございました。
・思想史の料理の仕方がすばらしいと思います。近代からポスト近代への以降は、つまるところ、「進歩」という考え方が有効ではなくなった、ということですよね。で、いま私たちは、ポスト近代(1980年代以降)の「進歩否定」的な考え方を継承しているのかというと、そうともいえない。私たちは、「閉塞感」という言葉をよく使っています。「閉塞感」がある、というのは、やはりその先の歴史、その先の社会ビジョンに、到達できないことのストレスでしょう。
・閉塞感は、つまり「進歩などいらない」といったポスト近代の思想の陥穽ではないか。そのように感じました。でもポスト近代の正義論は、もっと等身大の、ミニマルな要求しか掲げていないようなので、規範理論として「ミニマル」であることと、「閉塞感」は、やはり共存するだろう、と。そのようにも感じます。
・いつもご著書を「あとがき」から読ませていただくのですが、面白いです。40代後半をどう生きるか、という。いずれにせよ、本書を、思想史に関心のあるすべての方に読んでいただきたいです。