■レーガノミクスはケインズ主義
- 作者: ニコラスワプショット,Nicholas Wapshott,久保恵美子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/11/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
ニコラス・ワプショット『ケインズかハイエクか』久保恵美子訳、新潮社
久保恵美子様、新潮社編集部の皆様、ご恵存賜り、ありがとうございました。
1980年代のレーガノミクスは、一般に、「新自由主義」にもとづくものだとされています。しかし本書が示すように、多くのケインズ主義者にとって、レーガノミクスは小手先のごまかしにすぎず、その本質は、従来通りのケインズ主義政策とみなされました。例えばロバート・ソローによれば、レーガノミクスとは、支出を増やし税率を下げるという、ケインズ派の手法そのものであり、拡張的な赤字財政の典型例だとされます。ガルブレイスも、レーガンは強力なケインズ主義政策を数多く実施した、というようなことを述べています。
というわけで、私たちは80年代の経済政策に対するイメージを「新自由主義」として一括するのではなく、もっと慎重に分析した方がよさそうですね。