■オーストリア学派経済学の入門書
- 作者: マーク・スカウソン,田総恵子
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2013/12/26
- メディア: 単行本
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マーク・スカウソン『自由と市場の経済学 ウィーンとシカゴの物語』田総恵子訳、春秋社
田総恵子様、ご恵存賜り、ありがとうございました。
オーストリア学派経済学の入門書として、楽しく気軽に読むことができます。物語仕立てになっていて、飽きさせません。この分野の経済学史的な背景を、一通り押さえることができるでしょう。
1920年代という大恐慌前夜の時代に、過剰投資ブームと大規模な信用拡張は、本当にあったのでしょうか。その答えは、どの統計データに注目するかによって、変わってきます。
オーストリア学派のミーゼスは、当時、意図的な信用拡張と低金利政策(イギリスが金準備を維持できるように助ける目的で行った1924-1927年の利下げ)によって、にわか景気が生じた、と判断しました。
これに対してマネタリストは、消費者物価は比較的安定していたのであって、また総じて経済はデフレ傾向にあった、と判断しています。
どちらが正しいでしょうのか。1920年代半ばに、株式市場と不動産のバブルが生じていたことを考えると、オーストリア学派の理解のほうが正しい、というのがスカウソン(スコーセン)の見解です。