『現代の経済思想』目次です


本日、見本が刷り上ったようです。
いよいよ一週間後に刊行予定。
本企画書の目次を以下にご紹介したします。

なお11月から一ヶ月間の予定で、ジュンク堂(池袋、大阪、福岡)にて、
本書の刊行を記念したブックフェアを開催する予定です。
こちらもお楽しみに!

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橋本努編『現代の経済思想』勁草書房、2014年10月30日刊行予定

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幸福、欲望、労働、価値、平等、ケア、所有、市場、慣習、企業組織、資本主義――
22のキーワードで経済をめぐる普遍的な問題を読み解き、注目すべき最前線の議論を紹介。
不透明な「いま」を生き抜くための、「生と社会」の指針。【帯】

*目次*

まえがき 橋本努

1 生きるために

1-1 快楽─―快楽が多ければよい人生か   米村幸太郎
(キーワード:福利、個人的価値、幸福度)
1-2 欲望─―なにに/なぜ人間はこれほど駆り立てられるのか  黒石晋
(キーワード:なにか未知なるもの、価値、事後選択)
  ◆コラム 視野狭窄の効用
1-3 幸福─―幸福度研究は経済学に革命をもたらすか  本郷亮
(キーワード:主観的幸福、幸福度、功利主義
  ◆コラム 信頼ホルモン「オキシトシン
1-4 贈与─―私たちはなぜ贈り合うのか   若森みどり
(キーワード:負債、社会関係、循環)
  ◆コラム 災害復興
1-5 労働─―理想の仕事とはなにか   橋本努
(キーワード:拘り、本来性、ルサンチマン
  ◆コラム 地理学的批判理論


2 善い社会のために

2-1 価値─―価値は価格に反映されているのか   藤田菜々子
(キーワード:倫理、バランス、制度)
  ◆コラム 繁栄の法則
2-2 平等─―なぜ平等は基底的な価値といえるのか   井上彰
(キーワード:範囲性質、非個人的価値、反不平等主義、宇宙的価値)
2-3 ケア─―両立支援は誰のためか   山根純佳
(キーワード:平等と差異、ケアの社会的評価、ワーク・ライフ・バランス)
2-4 所有─―所有は豊かさをもたらすか   沖公祐
(キーワード:占有、請求権、コモン・ストック)
2-5 資本主義─―なぜ安定と危機の交替を繰り返すのか   鍋島直樹
(キーワード:社会的蓄積構造、戦後コーポレート・システム、新自由主義
  ◆コラム 「グローバリゼーション」のトリレンマ


3 経済の倫理

3-1 自然─―経済にとって自然とはなにか   桑田学
(キーワード:自然の贈与、労働、依存)
  ◆コラム 何もしない
3-2 消費─―消費者は環境に責任があるのか   根本志保子
(キーワード:政治的責任、規範、美徳)
  ◆コラム 脱成長
3-3 交換─―赤ちゃん市場の問題とはなにか   山本理奈
(キーワード:商品化、聖なるもの、貨幣)
  ◆コラム 例外としての新自由主義
3-4 文化と経済─―市場は芸術の開花を阻害するか   鳥澤円
(キーワード:文化政策、大衆文化、古典的自由主義
  ◆コラム ショック・ドクトリン
3-5 芸術の売買─―美術市場に道徳はあるのか   持元江津子
(キーワード:美術市場モラル、一次/二次市場、アートディーラー)
  ◆コラム コモンウェルス


4 経済の生態

4-1 市場─―市場が社会秩序であるとはどういうことか   瀧川裕貴
(キーワード:経済社会学、埋め込み、収穫逓増)
4-2 慣習─―生活にどう役立つのか   吉野裕介
(キーワード:明確化アプローチ、適応的慣習、慣習への順応)
  ◆コラム 裏切りの効用
4-3 嗜癖─―アディクションは非合理な行為なのか   太子堂正称
(キーワード:嗜癖と合理性、非自律的選好、信念依存性、プリコミットメント)
4-4 心理─―損得勘定に感情は入っていないのか   松井名津
(キーワード:感情、理性、意思決定)
  ◆コラム プロスペクト理論
4-5企業組織―─なぜ企業は存在するのか   三上真寛
(キーワード:取引費用、ケイパビリティ、規模)
  ◆コラム コミットメント契約
4-6 企業家精神─―企業家になるとはどういうことか   吉田昌幸
(キーワード:企業家学習、市場理論、知識の成長理論)
  ◆コラム ソーシャル・ビジネス
4-7 経済神学─―経済学者の社会的機能とはなにか   佐藤方宣
(キーワード:宗教としての経済学、市場のパラドクス、効率性の福音)

索引