■「生き方のモデル」がないと「無頼化」する

無頼化した女たち

無頼化した女たち

水無田気流『無頼化した女たち』亜紀書房

水無田気流様、ご恵存賜り、ありがとうございました。

 本書は、2009年に洋泉社から『無頼化する女たち』として刊行された新書に、第二部と第三部を加えたものです。現在、女性の労働者の半数以上は、非正規雇用。年収が300万円に満たない女性は、女性労働者全体の七割。
 未婚率が高まる一方で、女性労働者の割合は増えています。
 そうした日本社会で、女性の新しい「生き方のモデル」が不足している点に、本書は注目しています。生き方のモデルがないので、ごく普通の女性たちもまた、ストーリーのない「無頼」の生き方をするようになってしまう。専業主婦でもキャリアウーマンでもなく、無頼化する女性たちの現実を、ゲームの「クソゲー」に例えている点が面白いですね。
 例えば、「バグが多すぎる」、「ゲームバランスが悪すぎる」、「ストーリー・内容が理解不可能すぎる」、「クリアが極度に困難すぎる」という特徴をもったゲームを、現代の女性の生き方の比喩として用いると、なるほど、とうなずける点があります。
 最後に、「ママほいほい」の話。笑いました。息子さんも、すでにすごい知恵を身につけましたね!