■消費税でも格差縮小の効果あり


18歳からの格差論

18歳からの格差論

井手英策『18歳からの格差論』東洋経済新報社

井手英策様、ご恵存賜りありがとうございました。

 政策としては、消費税のみで、富裕層と貧困層のあいだに、大きな分配効果があるというのですね。この説得の仕方だと、累進所得税には反対しているように見えますが、それが真意でしょうか。
 国際社会調査プログラムの調査によれば、「格差の是正は政府の責任である」という質問に賛成した日本人は、54%でした。ところがOECDの平均は69%なのですね。
 日本において、ウソをついて生活保護をもらう人の割合は、0.5%程度。これはあまり多くないですね。でも中間層の人たちは、生活保護の不正受給に対して厳しい視線を向けます。ここら辺の認識ギャップが激しいというのは同感です。