■金融危機の四半世紀への処方箋

国際公共財の政治経済学――危機・構造変化・国際協力

国際公共財の政治経済学――危機・構造変化・国際協力

佐々木隆生『国際公共財の政治経済学』岩波書店、2010年

佐々木隆生様、ご恵存賜りありがとうございました。

・金融的蓄積と過剰消費に依存した成長の拡大再生産、それが1982年以降、現在まで約四半世紀ほど続いた。だがこの状況の構造は、すでに終わりを告げた、と本書は主張する(17)。

・終わりとは、なにか。金融部門以外に優秀な人材を配置し、税制を増税方向に改革し、サステナビリティへの制度改革を進めていけば、現在の経済構造は改革されるだろう。そして国際公共財のフレームワークを築けば、現在の経済構造は不安定なものではなくなる。加えて、ネオリベラルな四半世紀に対抗するためには、G20東アジア共同体の構築が必要、ということ。