■日本人よ、議論で「ボトム・ライン」を明確にしよう
社会科学系のための「優秀論文」作成術―プロの学術論文から卒論まで
- 作者: 川崎剛
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2010/04/09
- メディア: 単行本
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川粼剛『「優秀論文」作成術』勁草書房、2010年
・川粼剛様、ご恵存賜り、ありがとうございました。
・反論を取り扱わない論文は、言いっぱなしの論文。ありうる反論に対しては、それをしっかりと想定して、きちっと応答することが重要だ。だが日本人は、どうも、この反論の取り扱いに慣れていない。反論に対しては、まず真摯に扱うこと。「譲れるところは、譲る」、という態度で望みたい。けれども、「譲れない最低限のライン」がどこにあるのか、それを明らかにしなければならない。「ここからは絶対譲れない」という強い主張を、あなたはどれほど論争的に育んでいるだろうか。それが問われている。英語で、What is your bottom line? といえば、「あなたの言いたい要はなんだね?」という意味。自分の言いたいこと=主張があるとして、それにもし反論された場合には、ここだけは譲れないというボトム・ラインを、明確に作っておく。そういう論文作法が、いま切実に求められているのではないか。