■逆説明責任という政治
- 作者: 斉藤淳
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2010/08/12
- メディア: 単行本
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・斉藤淳様、ご恵存賜りありがとうございました。
・政治家や政党が、有権者からの支持を求めて互いに切磋琢磨するというのではなく、その反対に、有権者の側が、政権を握っている政治家や政党の利益誘導を求めて、互いに競争する。そのような状況をperverse accountabilityという。「逆説明責任」、あるいは説明責任の倒錯状態である。そのような状況が、自民党長期政権の下で生じていた。
・そのような「逆説明責任」を課す自民党の利益誘導は、どんな条件の下で可能だったのか。例えば、地域共同体や各種団体によって、互いに他の団体を監視できる場合には、そしてまた、報復戦略が有効な場合には、各利益団体は、とにかく自民党を支持しないと、マイナスの影響をこうむってしまう。ということは、地域社会が共同体主義的に形成されている場合には、また各団体が濃密なコミュニケーションをしている場合には、それだけ「逆説明責任」の可能性が生まれるということだろうか。