■高校生・大学生の皆様、マルクスの入門書として最適ですよ

橋爪大三郎『FOR BIGINNERS 労働者の味方 マルクス現代書館、2010年

橋爪大三郎様、ご恵存賜りありがとうございました。

マルクス理解は、マルクス以前の社会思想を踏まえること、それから、マルクス以降の政治を踏まえること、この二つによってうまくいくということですね。類まれな入門書です。これほど詰まった内容を、しかも分かりやすく軽快に表現した本はないと思います。おそらく。

・実は私も、講義でマルクスを論じると、「マルクスのいい入門書はありませんか」と学生に質問されることが多かったのです。しかしいい入門書はなかったのです。あえて言えば、このFOR BIGINNERシリーズの、以前の本の翻訳がよかった。結構、マニアックに書かれてはいるけれど。ところが橋爪先生は、それよりもはるかに分かりやすく、しかも現代的な意義まで含めて論じています。本書を、多くの人に勧めたいです。