■筋金入りのリバタリアンですね!

Tomohide Yasuda, “Food Safty Regulation in the United States,” The Independent Review Vol.15, Number 2, Fall, 2010, ほか

安田智英様、ご高論二篇をご恵存賜りありがとうございました。

・これはまさしくリバタリアンの主張ですね。食品の安全管理のためのコストは、自由な市場経済の原理を殺いでしまうという。もともと安田様は国連開発計画のお役人をされていた、ということですが、こういう観点から論文を書くというのは、まったく役人的ではないような。しかし逆に言えば、お役所的な仕事の無駄な部分を目の当たりにされたのでしょう。

・人間は、もしドーキンスの言う「利己的な遺伝子」をもっているとすれば、自分の個人的な効用を最大化するように行動するのではなく、むしろその遺伝子を次の世代に継承してもらえるように行動するでしょう。しかしリバタリアンは、そのような「利己的な遺伝子」に抗して、各人は自分の利己的な利益を最大限に考えるべきであり、そのように考えるならリバタリアンのシステムを採用するはずだ、と考えるわけですね。リバタリアンにとって、国家に使える人々の利己的遺伝子は、最大の敵となる。これは面白いですが、ではリバタリアンは、どうやってドーキンスを批判すればよいのでしょう。進化論のレレヴァンスを疑うための哲学が必要になるのでしょうね。

・いつかお会いできることを楽しみにしております。