■クリムゾンのレッド
別冊「本」ラチオ SPECIAL ISSUE 思想としての音楽
- 作者: 片山杜秀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/11/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 51回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
雑誌『RATIO』特別号「思想としての音楽」講談社
片山杜秀様、青山遊様、ご恵存賜り、ありがとうございました。
もう半年前の刊行になりますが、楽しく読ませていただきました。これは本当に読みどころ満載ですね! 充実した内容と編集力に、脱帽です。最初の菊池成孔さんと片山杜秀さんの対談の出だしからして、うまくできています。なぜロックを聴かないのか。それがこの種のジャンルに入っていくための、音楽の本質に関わる導入論になっていますね。
それから、なんといっても、アファナシエフの論稿に刺激を受けました。彼は、ピンク・フロイドのコンサートに行って、本当に衝撃を受けているんですね。
「私の肉体は反応し、ある意味において傷つけられた ――内部から来るとき、音楽は危険である。最近、わたしは次のような新聞記事を読んだ。「軍は新型の対戦車装甲貫通弾の配備を完了した」。偉大な芸術家が語りかける仕方も同じである。」と。
アファナシエフは、キング・クリムゾンを敬愛しています。クリムゾンの『レッド』はモーツァルトのレクイエムに相当するといいます。なるほど、クラシック界の異端児は、プログレッシヴに学んでいるわけですね。クリムゾンの偉大さを、あらためて発見しました。私はクリムゾンの「ディシプリン」が一番好きです。