■ジャーナリストになるために

原発報道とメディア (講談社現代新書)

原発報道とメディア (講談社現代新書)

武田徹原発報道とメディア』講談社現代新書

武田徹様、ご恵存賜り、ありがとうございました。

 3.11原発事故の後に、六月に刊行された本ですが、原発報道が本題というよりも、武田先生のようなすぐれたジャーナリストになるために、どんな知識と心構えが必要であるか、というジャーナリストになるための入門になっています。
 随所にルーマンのシステム理論からのアイディアが参照されていて、メディアやジャーナリズムという仕事が、高度に理論武装した「理念」によって突き動かされているようにみえます。あるいは、ジャーナリズムは、そのようなものでなければならないという規範を示しているのでしょう。
 「あとがきにかえて」では、武田先生がいかにしてジャーナリズムの世界に惹かれて行ったのか、という自伝的な叙述になっています。とても読ませます。