■自由は、皆と一緒にしか味わえない
- 作者: 松岡幹夫
- 出版社/メーカー: 柏書房
- 発売日: 2013/03/01
- メディア: 単行本
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松岡幹夫様、ご恵存賜り、ありがとうございました。
とてもいい訳ですね。日蓮の多面的な思想を知るための、よき入門書になっています。
〈抜粋1〉
「自由とは楽しさである。人間は、自由なものとして生まれたーーこれは、われわれが楽しむために生まれてきた、という意味である。楽しさという自由には、行動の自由と違って限界がない。目が見えなくても、歩けなくても、金がなくとも、楽しむことはできる。
ただ、「楽しむ力」をどこで得るか。これが問題である。本来、われわれの心は、自由自在に楽しむ力そのものである。ところが、誰も、それほど自在な力が自分のなかにあるとは信じない。何かあると、すぐに不自由さを感じ、苦しんでしまう。
すべてを自由自在に楽しむ心を信ぜよ。仏はそれを教えたのである。」
『四条金吾殿御返事』より
〈抜粋2〉
「他人を犠牲にする自由は、じつは不自由である。自由本来の開放性が、そこにはないからだ。他人が苦しむ横で、自分だけが自由の広がりを感じられるわけがない。
自由は、灯(ともしび)のような性質を持っている。暗闇のなかで、自分のために灯をともせば、周囲の人の目の前も明るくなる。周囲の人のために灯をつけても、自分の顔が灯に照らされる。
暗闇の灯を独占できる人はいない。同じように、自由も皆と一緒にしか味わえない。」
『三世諸仏総勘文教相廃立』より