■聖書は引用合戦
- 作者: 橋爪大三郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/06/18
- メディア: 新書
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橋爪大三郎様、ご恵存賜り、ありがとうございました。
よくある質問(クエスチョン)に、分かりやすく答える形式になっていて、読みやすいです。
聖書は、旧約と新約がいっしょになっているものを買うこと。
しかも、「旧約聖書続編つき」が望ましいのですね。
さらにもっと大切なことは、「引照つき」の聖書を買うこと。
というのも、聖書の言葉は、引用の塊だからです。
新約聖書の福音書に、「イエスが十字架に架けられると、『エリ、エリ、レマ、サバクタニ』(主よ、主よ、なぜ私を見捨てたもうたのですか)と言った」とあります。この言葉だけを読むと、イエスは、自分が神に見捨てられたのではないか、と嘆いているようにみえます。しかし、これは『詩篇』22篇からの引用であり、それは神への敬虔な帰依を表すものとされています。この引用の意味を知っているかどうかによって、まったく理解が異なってしまうわけですね。
ほかにも、イエスとサタンのやり取りは、引用合戦になっているというのも興味深いです。ディベートは聖書からの引用でやりなさい、という見本のようなものなのですね。