■貯蓄が投資に回らない

グローバリズムと北海道経済

グローバリズムと北海道経済

穴沢眞・江頭進編『グローバリズムと北海道経済』ナカニシヤ出版

江頭進様、ご恵存賜りありがとうございました。

 北海道民可処分所得に占める付加価値生産はぜい弱だということですね。所得が低いということが一つの原因ですが、それを政府からの財政移転で補っている状況があります。1996年度から2010年度までのあいだに、国家財政への依存度が次第に上昇しています(17.1%から19.7%へ)。
 2001年度から、道民が貯蓄したお金を原資とする投資は、マイナスに転じています。道民の貯蓄は十分にあるのですが、それが有効に投資に回っていない、というわけですね。これは北海道における資本形成力の低下を示しています。逆に言えば、貯蓄が過剰なのですね。