■イランとの友好関係が最優先
- 作者: 佐藤優,橋爪大三郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/10/01
- メディア: 新書
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橋爪大三郎さま、佐藤優さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。
敵国イスラム国の敵は味方。だからアメリカとイランが手を結ぼうとするのですね。ただ、アメリカがイランの核開発を認めてしまうと、現在、パキスタン内にある核兵器は、サウジアラビアに移されることになるでしょう。専門家ならだれもが知る秘密協定があって、パキスタンの核兵器はサウジのもの。パキスタンではそもそも、サウジアラビアがスポンサーになって核兵器を作ってきたからです。
イランが核を持てば、サウジアラビアだけでなく、カタールもオマーンも核を保有することになるでしょう。
問題は、カタールやサウジアラビアが、「イスラム国」に資金を提供しているという側面です。カタールやサウジアラビアと「イスラム国」の関係は、日本の戦前の旧陸軍と右翼・過激派のような関係ともいえます。
もし、サウジアラビアの政権が崩壊して国ごと「イスラム国」に乗っ取られるという事態になれば、イスラム国は、核兵器を使うことに躊躇しないでしょう。
これが起こりうる最悪のシナリオです。
だからアメリカはまず、イランと友好関係を結んで、イランが核を保有しないように手を尽くす必要があります。これこそ現在、平和のための最優先の外交であるかもしれません。