■地域コミュニタリアンは反グローバリストか

サミット・プロテスト―グローバル化時代の社会運動

サミット・プロテスト―グローバル化時代の社会運動

野宮大志郎・西城戸誠編『サミット・プロテスト グローバル化時代の社会運動』新泉社

富永京子さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。

 2008年に札幌で開催されたG8サミットに対する対抗運動で、「キャンプ札幌実行委員会」の食事提供に参加した人に対するインタビューは面白いです。
 その人によると、なるべく地産地消を実践するために、ワインも北海道の「道民還元」と書かれたワインを仕入れたところ、そのラベルには「サミットを応援します」というシンボルマークがついていたというのですね。
 反G8のために集まっているその集会で、サミットを応援するワインを飲むのは、いかがなものか。その人はキャンプ参加者たちにあまり気付かれないうちに、そのマークを塗りつぶした、とのことです。
 「地産地消」とか「道民還元」といった、いわば「コミュニティ重視」の商品を売っている会社でも、G8やグローバリズムには賛成している。このリアリティを、どのように考えるかですね。地域コミュニタリアンは必ずしも反グローバリストではないわけです。