■日本人の栄養摂取量が減っている
- 作者: 松尾匡
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 2016/01/20
- メディア: 単行本
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松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』大月書店
松尾匡さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。
最近では欧州の左派も、金融緩和政策を支持しているということで、日本ではアベノミクスを批判する際の左派の観点が、揺らいでいますね。
アベノミクスよりもさらに貨幣供給量を増大してかまわないという主張が、もし野党の政策提案になるとすれば、経済政策は、いまの与党も野党もほとんど同じようなものになる可能性が高いと思いました。
この他、本書で紹介されている興味深いデータとして、1995年から2012年にかけて、20歳代の栄養摂取量が約2050キロカロリーから約1850キロカロリーへと減少しているという事実があります。
これは20代のデータですから、高齢化による日本人のエネルギー摂取量の全般的な低下とは意味が違います。日本の若者たちは、エネルギーの摂取量をだんだん減らしてきているのですね。
その原因は、若者たちの雇用が不安定化して、失業率が高まっていることと関係しているのではないか、ということですが、でも調べてみると、7歳から14歳のエネルギー摂取量も減っています。子どもたちの栄養摂取量が減るという背景には、20代の失業率の増加とは別の要因があるようにも見えます。
どうも日本人が全般的にエネルギー摂取量を減らしている。こうした時代のトレンドを、どこまで下部構造で説明できるのでしょうか。興味深い問題です。