■現行憲法の解釈変更で集団的的自衛権

第6巻 憲法70年の真実 (【平山朝治著作集】)

第6巻 憲法70年の真実 (【平山朝治著作集】)

平山朝治『憲法70年の真実』中央経済社

平山朝治様、ご恵存賜りありがとうございました。

 集団的自衛権の行使を、現行憲法の解釈変更によって認めることは、なるほど可能だと思いました。
 1955年ごろから日本政府が言い続けているのは、「自衛のための必要最低限度の実力は戦力ではない」という解釈ですね。この政府解釈がかりに正しいと前提すればの話ですが(ただこれは間違っているのではないか、と私は思いますが)、集団的自衛権は、解釈の延長に位置付けられるでしょう。
 もちろん、その場合の集団的自衛権は、制約されなければならないでしょう。私は基本的に、集団的自衛権の行使に賛成です。日本も世界平和に向けて、集団的自衛のための国際関係を築き、それを世界大に拡張していく必要があると思います。
 ご指摘のように、「集団的自衛権」という言葉の定義が日本では誤った語句によって定義されてきたために、問題が生じているのでしょう。日本が攻撃されていない場合に、はたして日本が集団的自衛の関係を結んだ他国を武力でもって助けることができるのかといえば、それは集団的自衛の概念を拡張して解釈した場合に問題になるとしても、無理でしようね。基本的には日本を含めたいくつかの国が武力攻撃を受けた場合を想定して議論を進めるべきですね。